自称コーヒー好き その後

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最後のページを読み終え、ゆっくりと本を閉じた。じーんと込みあげてくる感動。閉じるのが惜しかった。コーヒーを一口飲む。美味い。いい本を読み終えた後のコーヒーは格別だ。
2度目だが初めてのような新鮮な気持ちで読めた。思いのほか内容を覚えていなかったのだ。得した気分。1冊で2度美味しいとはこのことだ。
私はコーヒーに砂糖を入れ飲んだ。最初はブラック、次に砂糖、最後にミルクで味を楽しむのが好きだ。

ん?まてよ。疑問がよぎる。本当にお得なのだろうか。

本の内容を完全に忘れていた。思い出したというより初めて読んだという感じだ。数年するとまた忘れ新鮮な気持ちで読むだろう。それはお得といえるのか。

そもそも忘れるのに読む必要ある?

私は一瞬何かものすごい真理にぶち当たりそうな予感を得たが、なぜかそこには触れちゃいけないと思えて、何事もなかったように残りのコーヒーにミルクを入れ一気に飲み干した。
その他
公開:23/01/27 16:17

かわわの( ながの )

ショートストーリー、好きです。noteでもちょこっとずつ書き始めています。
https://note.com/kawawano
 

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