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おばあちゃんは蚊遣豚の中から、一巻の綺麗なナルトを取り出した。
「太郎、聞きなさい。ナルトだってね、乾燥させれば蚊取り線香の代わりぐらいにはなるんだよ。
人だって一緒。
代わりは幾らでも居るんだから、リラックスして生きなさい。」
そういうとおばあちゃんはおもむろにナルトを口に含み、5秒ほど咀嚼したのちに、一巻の乾燥しきったナルトを吐き出した。
乾燥したナルトにおばあちゃんは火を付け、蚊遣豚の中に戻す。

蚊など殺せぬたった1本の煙が、扇風機に揺られて消えていく。
ファンタジー
公開:23/01/29 22:15

れいもんと・くろ〜

巷で流行りのマダム系ショートショートが得意です

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