純愛缶

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純愛缶と呼ばれる缶詰が発売された。その缶詰を開けると、純愛を楽しめるというものだ。恋人にことごとく利用され、騙されて捨てられた私は、癒しを求めて純愛缶を購入した。缶の蓋を開けると中から煙が出てきて、その煙は男性の姿へと変わった。
「君の恋人になりたいんだ。僕と恋人になってくれる?」
その男性は、私好みのイケメンで、私達は、その場ですぐに恋人になった。
「おかえり。仕事お疲れ様」
毎日、仕事から帰ると出迎えてくれる。
「顔色良くないね?なんかあった?」
いちいち私の事を心配してくれるところも、とてもポイントが高い。細かい事に気が付いてくれるし、優しいし、まさに理想の彼氏だった。
「ごめんね。そろそろ時間だ」
そう言って彼は、煙となって消えてしまった。純愛缶の効果時間が切れてしまった。どうしてあなたは煙なの?
あなたに触れられない事がとても苦しい。この想いは、まさに純愛そのものだった。
公開:23/01/29 17:12

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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