ドラフト会議
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私は困惑していた。なんでって?それは突然、プロ野球のドラフト会議で1位指名されたから。それも複数球団から。私は野球経験はない。しかも50を過ぎたオバサンだ。なぜこんなことになったのか。話は1年程前まで遡る。あの晴れた秋の日。私は近所のスーパーで買い物を済ませ、自宅までの道をのんびり歩いていた。そんな時突然、「ひったくりよ~。誰か捕まえて~。」の声。怪しい男が女性物のバッグを抱え私の前を駆け抜けた。私は咄嗟にレジ袋の中から買ったばかりの梨を取り出し、ひったくりめがけ思いっきり投げた。見事、命中。ひったくりはガクッとその場に倒れた。騒ぎを聞き付けやって来た男衆に確保されるひったくり。まさかの大手柄。私は新聞やテレビに取材され豪腕主婦としてちょっとした有名人に。そして、まさかのドラフト指名!!緊張のくじ引き。私を引き当てたのは親会社がスーパーの球団だった。奇しくもあのスーパーだった。
ファンタジー
公開:23/01/29 14:58
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時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、短いお話を書いています。コメントは励みになります。とりあえず過去作の改訂版を中心に新作も載せていきます。よろしくお願いします。
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