魔法のような移動手段

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人や物が移動できる、魔法のようなことが実現するようになった。自分の意志で移動できるようにすると混乱も予想されるので、まず一部の希望者のみを対象にした。
老人や体が不自由な人が役所に許可を願い出て、役人が希望者を行きたい場所に動かすのである。役人はマグネットを動かすように、当人を形どった人形を動かせばいいだけだったので何の苦労もなかった。
物も空家などがそのまま移動できた。巨大焼却炉にそのまま落とし込めば、処分する手間が省けた。
これは全ての人を対象にすれば便利でいいではないかと誰もが思ったが、政治家や経済人の意向で社会的弱者しか移動対象者になり得なかった。
経済事情があった。誰もが自由に移動できるようにしてしまうと、車や電車などを誰も使わなくなり失業者も増え大混乱になる。政治家は移動できる人数を増やしますと公約すれば票にもつながる。
いい社会のような、何か騙されているような社会であった。
その他
公開:23/01/28 21:26

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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