一つ目小僧の探しもの

僕は昔、一つ目小僧と友達だった。
一つ目小僧は妖怪の癖に全然怖くなかった。一つ目小僧は子どもの妖怪だった。
一つ目小僧はいつも探しものをしていて、僕はそれを手伝った。探しものは冒険みたいで楽しかった。
僕は一つ目小僧を信用しきっていた。それが大間違いだった…
一つ目小僧の探しもの。それは目玉だった。
一つ目小僧は自分に合う目玉を手に入れると人間になれるらしい。
一つ目小僧は僕から目玉を一つ、くり抜いた。それを自分の顔に押し込んだ。一つ目が二つ目になった。
人間なった一つ目小僧は僕の前から姿を消した。
アイツはずっと僕の目玉を狙っていたんだ。今更後悔してももう遅いんだけどね…
ありがとう。こんな僕の話を聞いてくれて。
僕はずっと話を聞いてくれる子どもを探していたんだ。僕も君の目玉を貰う事で人間に戻れるからね。
君も早く誰かから目玉を奪った方がいいよ。そうしないと君はずっと一つ目小僧のままだ。