ラーメン走馬灯

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あまり美味そうな名前だとは思わないけどな。ラーメン走馬灯だなんて、なんだか不吉な名前だな。そう思いながらも、この辺には他に食べられそうな店がない。仕方なく入ることにした。
「いらっしゃい」
ぶっきらぼう。不愛想ないかにもラーメン屋って感じの親父の声が聞こえてきた。
「ラーメン」
「はいよ」
少し待っているとラーメンが運ばれてきた。見た目はごく普通のどこにでもあるラーメンだ。良かった。普通の店のようだ。ラーメンを一口、また一口と食べていく。味は味噌ラーメンで、日本人向けに味付けされたスープは、この時期に体を温めてくれた。
「はあー。美味かった」
「お客さん。良い食いっぷりだったね。満足したかい?」
「ああ。満足したよ。まさか死んでからあの世に行くまでの間の待ち時間、最後にラーメンを食えるとは思わなかった。食いながら生きてた時の事思い出してたよ」
「また来世で死んだら食いに来てくれよ」
公開:23/01/25 09:02

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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