衛星監視カメラ

その人の周りを衛星の如く飛ぶ監視カメラが使われるようになった。それは裁判官が容疑者の言動を知るために作られた物である。
裁判の場では誰もが減刑を目論んで、しおらしく振る舞う。裁判官も情に絆され大抵刑を検察の求刑した七掛け、八掛けくらいの所を言い渡す。しかしこのカメラがあれば、容疑者の本性を知ることができる。
ふん、被害に遭う方が悪いんだよとか、おれは演技が上手いよなというようなことを言ったり、あるいはそういった表情を見せたりすると刑を割り増しした。
また容疑者の取り調べの状況、普段の言動を見てこれは無罪だろうと判断したらそのように言い渡した。
これは刑事に対して使ってもいいのではないかとなって、悪質な捜査をした刑事には懲戒免職を言い渡した。
刑務所の中の囚人にも使われ全然反省の色が見えない者には刑をさらに長くし、適切な罰を与えた。
裁判官しか使えない聖域だが、これにより治安はよくなった。