激辛の試験

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昔むかし。ある大富豪の跡取り娘がいた。
彼女は、むかし結婚していたのだが
夫を亡くし、いままた新しい夫を
募集していた。

トメ吉は、その募集に応募した。
「わたしの夫に相応しいかどうか
激辛の試験を受けてもらいます」
跡取り娘は言った。

トメ吉は、食卓に激辛料理が並ぶのかと思った。
激辛料理は大好きだ。
だが、料理はふつーだった。

その夜、跡取り娘がこっそり墓に行くのを見て
トメ吉は、あとを追った。
娘は、夫の墓を開けると、
中身の骨をバリバリ食っている!

トメ吉は、腰を抜かした。
跡取り娘は、人食い鬼だったのか。

しかしトメ吉は、跡取り娘が去った後
その墓の中身をよく見たら

トウガラシだったのだった。

トメ吉もこのトウガラシ人骨を食べていたら
跡取り娘が、
「その胆力が気に入った」
と、トメ吉を婿にしたという。
その他
公開:23/01/25 05:08
更新:23/01/24 11:50
SSnote 激辛の試験 日本昔話再話

たじま えりこ( 広島 )

カクヨムで『日々の事柄』を連載中。
2022年からエッセイストになるため修行しているが、
広島のサンモールで一部のエッセイが掲示されたことがある。
Novel Days では『Ingress――日常を冒険しよう』のPVが
13,000を突破している。

 

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