中華まんがスイッチ

世界最大にして世界最強と謳われる国の大統領となった私。
今、前大統領から引き継ぎの説明を受けている。その中には世界最悪の科学爆弾スイッチの説明も含まれる。
私はその説明を受け、耳を疑った。いや、その前に目を疑った。
何せ、科学爆弾のスイッチだと説明されるそれはどこからどう見ても中華まんなのだから。
「誰しも皆、最初は驚く。だが事実だ。この中華まんは科学爆弾のスイッチで、これを食べきると科学爆弾を搭載したミサイルが発射される」
ゴクリ…と喉が鳴る。ホカホカと湯気を立てる中華まんだが、食べたいわけではない。
前大統領が中華まんを手にし、かぶりついては顔を歪める。
「熱っ痛ぅ…見ての通りこの中華まんは完食が難しい。もし、科学爆弾を使う時が来たのなら、まず最初に大統領が痛みを伴わなければならない」
中華まんを見るとまるで巻き戻しをするかのように元に戻っていく。
むしろこれが化学兵器なのではないか？