イタズラ鬼と病気の美少女

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マジメな鬼ばかりの住む山で、
イタズラばかりしている鬼がいた。
大将のおにぎりにワサビを入れたり
道に落とし穴を掘って鬼仲間を落としたりしていた。

やられっぱなしでいる鬼たちではない。
鬼の法律を作って、イタズラ鬼に言った。
「おまえには手を焼かせる。
人間を鬼にしたなら、許してやろう」

イタズラ鬼は、村へ降りた。
病気の美少女と巡り会った。
鬼の薬はツノから取るが
それを取ったら、命はない。

鬼は迷った。
自分の命と引き換えにするほど
美少女に惚れているわけではなかったからだ。

しかし、彼は決意した。
ツノを切り取るよう、少女の両親に命じる。
イタズラ鬼はツノを失った。

命の灯が消えていく。
そのとき、鬼の大将が現れて言った。
「おまえは成長した。
病人とともに命を助けてやる」

イタズラ鬼は、次期大将に選ばれて
いまは幸せに暮らしている。
ファンタジー
公開:23/01/26 05:00
SSnote 美少女

たじま えりこ( 広島 )

カクヨムで『日々の事柄』を連載中。
2022年からエッセイストになるため修行しているが、
広島のサンモールで一部のエッセイが掲示されたことがある。
Novel Days では『Ingress――日常を冒険しよう』のPVが
13,000を突破している。

 

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