未完成なラジオドラマ
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俺はタクシーの運転手だ。口下手で喋るのが苦手な俺は、客を乗せるとすぐにラジオのボタンを押す。気まずい空気になるのを防ぐためだ。車内にはラジオの音だけが響き渡る。
「さあ本日もラジオドラマの時間がやって参りました」
「…………」
「『ミッドナイト・カフェ』です」
しかし俺の思いとは裏腹に、ラジオから流れる番組に反応する客はいなかった。いつものことだが、少しだけ寂しい気持ちになった。そして今夜もまたラジオは静かに流れ続ける。
「いやー、続きが気になりますね」
「でもこの物語が完成することはないんですね」
「どうしてですか?」
「それはこのコーナーが未完成なラジオドラマだからですよ」
「えっ?でもオチはバッチリ決まってたじゃないですか」
「何事も精進することが大切なんですね。完成して満足したらそこで終わりです」
そうか。俺も少しずつ客と話して成長していけばいいんだ。そう思えるようになった。
「さあ本日もラジオドラマの時間がやって参りました」
「…………」
「『ミッドナイト・カフェ』です」
しかし俺の思いとは裏腹に、ラジオから流れる番組に反応する客はいなかった。いつものことだが、少しだけ寂しい気持ちになった。そして今夜もまたラジオは静かに流れ続ける。
「いやー、続きが気になりますね」
「でもこの物語が完成することはないんですね」
「どうしてですか?」
「それはこのコーナーが未完成なラジオドラマだからですよ」
「えっ?でもオチはバッチリ決まってたじゃないですか」
「何事も精進することが大切なんですね。完成して満足したらそこで終わりです」
そうか。俺も少しずつ客と話して成長していけばいいんだ。そう思えるようになった。
公開:23/01/21 08:53
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