呪われたアプリ

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道具がないならスマホで描けばいいということで、
達也はアプリをダウンロードした。
ところが、そのアプリの使い方がわからない。
動画や書籍を見たのだが、どうしても絵がうまく描けないのである。

達也は友人の翔平に助けを求めた。
すると翔平は、
「そのアプリには、夢がかなわなかった人間の
怨念がこもっている」
と言い出した。

教えたくないならそう言えと、
ケンカになって別れてしまったが
その夜、ベッドの脇に置いたスマホから、
数人の男の声がした。

「そろそろだな」
「自分の才能に自信がなくなる頃だ」
「また仲間が増えるな」

「だれだ! お前たちは、なにものだ!」
 達也が叫ぶと同時に。
 すべてが暗転した。

 達也が目を覚ますと、まわりには
 青白い顔をした亡霊がいた。
「もはや帰る道はないぞ」
 亡霊は、笑った。

 スマホは今も、犠牲者を待っている。
ホラー
公開:23/01/20 20:02
更新:23/01/20 20:07
#アプリ #亡霊 #とりつく会議

たじま えりこ( 広島 )

カクヨムで『日々の事柄』を連載中。
2022年からエッセイストになるため修行しているが、
広島のサンモールで一部のエッセイが掲示されたことがある。
Novel Days では『Ingress――日常を冒険しよう』のPVが
13,000を突破している。

 

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