失恋墓地

私の心の奥深く、誰にも見せない所にお墓がある。今までの恋が眠った「失恋墓地」だ。幼稚園の時に好きだったカズくんも小・中学校で好きだった田中君も、高校で初めて付き合った鈴木君も皆キラキラした思い出と共に眠っている。

　そんな私にも、これが最後の恋人と思える人ができた。とっても優しい大好きな圭人さん、私はこの人と結婚する日を夢見ていた。それなのに……。
「おめでとう！」
　貴方の隣にいるのは何で私の親友なの？涙があふれて、失恋墓地が流されそうよ。すると、隣りの男の人が
「これからお茶でもどう？」
　とナンパしてきた。あまりタイプの人ではなかったけど、思わず頷いていた。そしていつの間にか、その人が隣にいるのが当たり前になって、家族になっていた。そして、失恋墓地は片隅で眠るようになくなっていた。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終わり