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「これは、700年前に死んだ邪悪な魔法使いが、
強大な鬼を呼びだすための
伝説のノートだ」
「鬼なんて、いるわけないでしょう」
エヌ氏は、嘲笑した。
「いや、これはホンモノだ」
おれは、真顔で答えた。
「そのノートに恨みを抱く相手の名前を書くと、
鬼がその人に、復讐してくれる」
おれは、それを取りだした。ページには、ビッシリ名前が書き込まれている。
「この最後の行に、あんたの名前を書いておいたぜ」
「ええっ?」
エヌ氏は、驚きながらノートを見つめた。
「あんたは妻を寝取った。鬼にお仕置きしてもらう」
「ちょっと待ってください――」
ふっふっふ、とおれは笑った。
扉がバタンと開いた。ツノの生えた邪悪な顔がのぞく。大きな手がエヌ氏にかかる。
「ぎゃああああ」
バキッ、ボキッと骨の折れる音。
おれは、ノートをかざして宣言した。
「これがほんとの鬼のおと」
強大な鬼を呼びだすための
伝説のノートだ」
「鬼なんて、いるわけないでしょう」
エヌ氏は、嘲笑した。
「いや、これはホンモノだ」
おれは、真顔で答えた。
「そのノートに恨みを抱く相手の名前を書くと、
鬼がその人に、復讐してくれる」
おれは、それを取りだした。ページには、ビッシリ名前が書き込まれている。
「この最後の行に、あんたの名前を書いておいたぜ」
「ええっ?」
エヌ氏は、驚きながらノートを見つめた。
「あんたは妻を寝取った。鬼にお仕置きしてもらう」
「ちょっと待ってください――」
ふっふっふ、とおれは笑った。
扉がバタンと開いた。ツノの生えた邪悪な顔がのぞく。大きな手がエヌ氏にかかる。
「ぎゃああああ」
バキッ、ボキッと骨の折れる音。
おれは、ノートをかざして宣言した。
「これがほんとの鬼のおと」
ホラー
公開:23/01/22 06:00
鬼
のおと
SSnote
ホラー
カクヨムで『日々の事柄』を連載中。
2022年からエッセイストになるため修行しているが、
広島のサンモールで一部のエッセイが掲示されたことがある。
Novel Days では『Ingress――日常を冒険しよう』のPVが
13,000を突破している。
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