猫が鳴いてるもん

帰っているとき猫がいた。
猫がいたってことはどうしたって動けない。猫がいるんだもの。ずっと見てたいのは当たり前じゃん。
お兄ちゃんが早く行くよって言う。早く行くよって言わないで！って何回も言ってるのに。お母さん心配するよ！って言われてもな。猫がいるんだもん。
私泣いちゃおうかな。お兄ちゃんが困るの知ってるんだよ。こんなちっちゃな妹の気持ちをふんづけて。お母さんにだって言いつけようかな、なんて思ったけど、私怒られないけど、まあ猫に免じて許します。
「なぁぁん」
わわ！猫が鳴いてるよ！皆に教えたいこの気持ち。かわいいなあ。お兄ちゃんも近くに来たらいいのに。前トカゲがいたときは私が嫌だって言っても草むらかき分けて。私にしっぽを見せてきて。怖いって言ってるのに。
すると、猫がお兄ちゃんの方に近寄った。「いやぁ！」ってお兄ちゃん逃げ出した。お兄ちゃん猫が嫌いだったんだね。やっぱりお母さんに言おっと。