フィー婆ー

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伝説のギャンブラー婆さんを知ってるか?
あの婆さんに目を付けられたカジノは、あっという間に破産に追い込まれるらしい。そんな噂を聞いた俺は、カジノでポーカーのディーラーをやっている。まさか……。ギャンブルは確かに一時的に勝てる時はあるが、勝ち続ける事なんて不可能なんだ。それはディーラーである俺が一番良く知っている。これはギャンブラーが流したデマに違いない。そう決めつけていた。
その日の夜も俺は、客たちの歓喜と悲鳴の中でポーカーをやり続けていた。
「邪魔するよ」
おばあさんだ。只者ではない雰囲気が一目でわかる。わかる、わかるぞ。この人が噂の妖怪フィー婆ーだ。
手札を配る。
「はい。フルハウス」
「残念。ロイヤルストレートフラッシュだ」
つ、強い。こんなことが!?
「フィー婆ー!!」
おばあさんが突如叫んだ。
「今夜はこの店の全財産を頂くよ」
そして店は破産に追い込まれた。俺は仕事を失った。
公開:23/01/18 09:14

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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