夢の話

戦場で爆撃を受けた私の命は仲間達によって繋ぎ止められた。
私の体は爆撃で亡くなった仲間達の身体の一部で復元された。手足は勿論、この心臓ですらも。
まるでフランケンシュタイン・モンスターのようだ。醜い姿に敵兵は恐れ戦き逃げていく。
戦時中はそれでも良かった。これで味方の被害が少しでも減るのならと喜んでこの身体を差し出した。
いや…違うな。私は死にたかったのだろう。名誉の戦死なら、先に逝った仲間達も迎え入れてくれると思った。
だが私は生き延びた。戦争が終わり、故郷へ戻る事を許された。
私はどこに帰ればいい？天涯孤独の身は帰りを待ってくれている人などいない。いたとしても、こんな私を受け入れてくれる筈がない…
だが、仲間達の身体が故郷に戻りたがっている。夢の中、故郷の映像を見せてくれる。
私は仲間達の遺族にこの姿を晒した。体の一部が夢にまで見た再会に震える。
こんな私を皆、暖かく迎え入れてくれた。