負け好き

負け好きというサプリができた。呑むと負けた自分を誇りに思えるようになるのである。
勝負事は全力を尽くしてやるのが当然だが、負けてもそんなにショックを受けないようになった。むしろ敗者という立場で勝者を引き立たせたことに誇りを持った。
穏やかな性格の人が増えた。今までの日本は無理をし過ぎていたのではないか。人口減少した方が住みやすくなるだろう。その結果、国際競争で負けようが税収が減ろうが勝った国を称えればいいのではないか。
原発などの危ない施設の運用は止めよう、エコエネルギーにしよう。国内の食料自給率を増やそうとなった。
国の経済力は落ちていった。下山をしているとも言える状態だった。
だが負けの経験が豊富な人がトップに立つようになったから、人を思いやる政策ができるようになった。お金やサポートが、社会的弱者に行き渡るようになった。
国民全員が達観して、運命を淡々と甘受するようになった。