夢の話

スポーツショップを経営する私は、子ども達に対して”夢払い”を許可している。
お金はないが道具は欲しい。この道具があれば、自分はもっと活躍できるのに！…とまあ、そんな夢見る子どもの為の支払い方法だ。
実際、夢払いで道具を購入した子ども達が甲子園や全国大会で活躍する事も少なくない。
家の事情で子ども達の夢が奪われるのは悲しいものな。スポーツ推薦で進学出来る可能性だってある。
だからこれは夢への投資みたいなものだ。
夢払いで道具を購入した子ども達は成長するとウチのリピーターとなる。
お世話になった恩義と言っては、大量の道具を買っていってくれる。さっきの監督さん、あの人もそんな一人だよ。
勿論、皆が皆、夢を叶えられるわけじゃないし、中には嘘を吐いて夢払いで道具を購入していく子どももいる。
それでも私は損をしたとは思わない。
何故なら、私は子ども達が語った夢を小説化する事で印税を貰っているのだから。