理想の自分人形

理想の自分という、モデル人形が売られるようになった。なりたい自分像をその人形に吹き込み、その人形の姿形が変わったのを確認した後、その理想像に向かって努力するといった具合である。
人形が励まして激励してくれる。そして勉強や趣味などに励むのであった。
しかしよほどの意志が強い人でないと、長続きはしなかった。大抵の人は途中で、ほどほどでいいじゃないと諦めてしまうのだ。
今度は反面教師人形というのが売られるようになった。適度に休んだり時には破目を外すのもいいがあまり不摂生なことばかりやっていると、こうなってしまうよという見本人形である。
これは一定の効果があった。あまりタチのよくない趣味にハマったり、不健康な生活ばかり繰り返していると将来こうなるよと人形が変身する。え、こんな顔や姿になってしまうのか。もう少しマシな生活をしなくてはと心を入れ替える人も多かった。恐怖の方が効果があるのかもしれない。