夢の話

雪降る寒い夜。街頭でマッチを売るも誰も買ってくれない…
寒さに震える私はマッチを一本こする。すると火の中、憧れの女優と男優が演技力で勝負し始めた。
これは私が夢にまで見たドリームマッチ！一体どちらの演技力が上なのだろう？
寒さを忘れ、見入る私に二人は微笑む。
「私達の演技でそのマッチを売ってみなさい」
私は女優が見せた微笑みを浮かべる。
憐れな少女ではなく、垢抜けた様でマッチを差し出すと買ってくれるお客さんが増えてきた。
お客さんが集まってくると今度は男優が見せた大きな身振り手振りで「これは素晴らしいマッチだ」と謳って聞かせる。
瞬く間にマッチは売り切れ、私は凍える前に帰宅できた。

その話を父にすると、父もまたマッチを一本こする。すると火の中、格闘家二人が現れた。
「この対決を見たかった！」と喜ぶ父を二人の格闘家にリングへと引っ張り上げる。
リングの上で痛い目を見る父を見てスカッとした。