時を進める能力

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私は時を進める能力というのを身につけた。歳をとるのが早くなるだけのつまらない能力だが、やりたくない仕事行きたくない行事をパスする時には有効といえた。ビデオのCM飛ばし機能のように、嫌な出来事を体験しなくて済むのだ。
私はOL時代の平日の仕事時間は、ほとんど時を進めて過ごした。休日になると普通に時を過ごして、友人と遊んだり趣味に励んだりした。
いつの間にか彼氏ができた。職場の同僚のようだ。私が時を進めている間、仕事中の私がゲットしたらしい。
休日にデートを重ね、一年後結婚した。私は仕事を辞めて彼の家で義母と同居し子供が産まれた。
しかし義母と仲が悪くなり子育ても面倒になってきたので、また時を進めた。
子供が十歳になった時にまで時を進めた。しかし面倒なことは何もやってこなかったため、私は何も身につけていないことに気づいた。記憶喪失になったような感じだ。酸いも甘いもあるから人生なのだなと感じた。
SF
公開:23/01/15 23:14

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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