4
4
俺は隊員を率いて配管の中を這っていた。三メートル径の太いパイプが敵の施設につながっている。入手した図面から綿密な計画を練ったはずだったが、配管に臭い液体が流れてきた。鉄砲水のように。液に触れると肉体が溶かされる。侵入を知られたのか。不明の液体に三人が「隊長ー!」と叫びながら溶かされ流れていった。残る七人で敵の中枢機能を破壊するしかない。図面ではあとわずか。そのときだった。俺たちの身体が突然パイプ壁にくっついた。武器、計器それにヘルメットが引かれる。強力磁石で金属部品が壁にくっつく。しばらくすると磁場は緩んで、また別の方角に引かれる。磁場で弄び、液体を流すつもりだろう。ヘルメットや計器、武器を捨てた。しかしまだ引かれる。防弾服は金属繊維でできている。俺たちはベルトも落とした。女性隊員はワイヤー入りブラも捨てた。下着姿で配管を這うと非常口を見つけた。そこから出よう。出たら地獄かもしれないが。
その他
公開:23/01/09 17:28
2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。
ログインするとコメントを投稿できます