昔の独身寮時代

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勤務を終え、電車を乗り換え独身寮のある駅に着く。改札を出ると前には萬屋がある。ここでパイナップルの缶詰を買うのが日課だった。
いつも通りおばちゃんが出てきて冷蔵庫で冷やしておいたよ、注文する前に置いてくれる。
時には蜜柑の缶詰とも、思わぬでもないが決めつけられている様だ。転勤でこちらに来てから、パイナップルを連日買ってたことから決定付けられた様だ。
1ヶ月も続く頃おばちゃんは、今日から5円引いてあげると言った。

寮の夕飯を食べ自分の個室に戻り、一人静かに缶詰を食べるのが至福の時間だ。
しかも雑誌を読みながら、皆の部屋の前には読み終わった、少年マガジンや平凡パンチ等が置いてあり勝手に取っても良いのだ。読み終わったら今度は自分の部屋の前に置いておけば、それを誰かが持ち帰る。古くなってしまったら、寮管のおじさんが勝手に集めて処分している。いやおじさんも密かに部屋で読んでるらしいとの噂もあった。
ファンタジー
公開:23/01/08 16:34
更新:23/01/08 18:50

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