動く雪だるま

雪だるまが動くことができるようになり、あらゆるサポートをしてくれるようになった。子供たちが作ってくれた雪だるまに人工知能を搭載すれば、簡単な動きをしてくれるのである。
例えば雪下ろしとか、雪かきとかをしてくれる。子供たちも自分たちが作った雪だるまが、人の役に立てるとあって喜んでいた。
雪国限定ではあったが、高齢者が危険な雪下ろしなどのことをやらなくてよくなったので事故は格段に減少した。
簡単な買い物もしてくれた。これも雪の降る時に外出が難しい人に喜ばれた。
家族や業者に頼む手間や金も省けて、重宝された。
しかし晴れ間となり雪だるまが溶けてしまうと、活動を停止してしまうためそれが難点でもあった。
それに雪だるまが作れるほどの雪が降るということは、温暖化のしっぺ返しでもあるので皮肉なことであった。
また春となると道端に散らばった人工知能を回収する手間もかかるので、それも面倒だった。