植物状態

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寝転ぶと身体を優しく包んでくれるベッドが売りに出された。
花が大地と一体化するように、自分の身体がベッドと一体になったようだった。
だが寝心地が良過ぎるが故に、なかなか起きられないという欠点があった。そして目覚まし時計が鳴っても、ベッドの中から起き上がれないようになった。家族の人が起こそうとしても、根が生えたように起き上がることができないのだ。力技で起こそうとしても、力のある人が全力で起こすことを試みてやっと離れるといった具合だった。普通の女性や子供には無理だった。
これは度が過ぎたベッドだということで、ほとんどの家庭は処分する決断をした。また政府もベッドの製造販売、使用の禁止を政令として発表した。
しかし稀に禁止令が出ても使い続けて、発見が遅れた人はベッドにずっと寝続けていた。
そのまま亡くなっている人もいたが、生きている人は仕方ないので食や下の世話をした。寝ている当人は幸せそうだった。
その他
公開:23/01/04 23:45

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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