掃除用具の開発

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私は身につける掃除用具を開発した。家の中を歩くだけで、家の掃除ができてしまうのだ。
スリッパを履けば床の掃除ができる。腕にウエスを巻くと埃を拭き取れる。手袋を嵌めれば整理整頓ができる。掃除が苦手な人に喜ばれそうだった。
しかし外し忘れると、くつろぎたい時にもいちいち整理整頓をしてしまう。例えばテレビを見て後で使うつもりでリモコンを手元に置いておくと、所定の位置に戻そうとしてコップを倒してしまう。まだ開発中だったので上司からクレームがきた。私はそれに対応した。
「注意書きをしておけばいいのではないですか。手袋やウエスを嵌めたまま食事をする人も少ないでしょうし」
「いや、火傷や火事の恐れだってあるわけだろう。スリッパだって海外の人はあまり使わないし、完璧な製品に仕上げないと駄目だ」
やむを得ず再開発することになった。そうこうしているうちに海外のメーカーがもっといい製品を作り出して抜かされた。
その他
公開:23/01/04 17:44

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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