8
5
夕暮れどき、真冬の空から粉雪や牡丹雪にまじって兎の形をした雪が降ってきた。
山陰地方で卯年に限って降ることがある伝説の「兎雪」だ。
地上に舞い降りた無数の兎雪は、兎の形のまま雪原などをピョンピョンと飛び跳ねながら駆け回る。これがまるで本物の兎のように動くから、山陰地方では知る人ぞ知る季節の風物詩となっている。
なぜ兎雪が降るようになったのか、また地上で動くかも謎だが、地元では因幡の白兎が有名で、その生まれ変わりや分身が兎雪と伝承されている。
一晩中、兎雪の群れは野山を駆け回ったあと動かなくなり、その御魂は所縁の深い大国主神が祀られている出雲大社に向かうとされている。そして兎雪の御魂が抜けたのち、朝には辺り一面、無数の雪兎が並んでいる。
地元の人たちは、この雪兎を持ち帰って家の門や玄関などに飾る。雪兎は、太陽の光を浴びると数時間で溶けて消え去るけれど、この一年ご利益がある縁起物とされている。
山陰地方で卯年に限って降ることがある伝説の「兎雪」だ。
地上に舞い降りた無数の兎雪は、兎の形のまま雪原などをピョンピョンと飛び跳ねながら駆け回る。これがまるで本物の兎のように動くから、山陰地方では知る人ぞ知る季節の風物詩となっている。
なぜ兎雪が降るようになったのか、また地上で動くかも謎だが、地元では因幡の白兎が有名で、その生まれ変わりや分身が兎雪と伝承されている。
一晩中、兎雪の群れは野山を駆け回ったあと動かなくなり、その御魂は所縁の深い大国主神が祀られている出雲大社に向かうとされている。そして兎雪の御魂が抜けたのち、朝には辺り一面、無数の雪兎が並んでいる。
地元の人たちは、この雪兎を持ち帰って家の門や玄関などに飾る。雪兎は、太陽の光を浴びると数時間で溶けて消え去るけれど、この一年ご利益がある縁起物とされている。
その他
公開:23/01/08 07:01
夕暮れ
真冬
粉雪
牡丹雪
兎
山陰地方
卯年
因幡の白兎
大国主神
出雲大社
1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。
ログインするとコメントを投稿できます