沈黙は金

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人間信用測定機というのが作られた。人に向かい機器を向けると、信用できる人かできない人か、針が振り分けられるのである。
直接向けるのは失礼にあたるので、腕時計型をしていて時間を見るフリをして確認することができた。安価だったので子供でも買うことができた。
ある子供も買って試したら、親も教師もみんな不信の方に針が振られた。その子は絶望的な気分になった。相談することのできる身近な大人が誰もいないということではないか。
言い方マニュアルというチップを今度は買った。それを触りながら話すと、当たり障りの無い言い方ができるようになるのである。親や教師からは逃げたくても逃げられないので、何とか被害を最小限に止めるよう作られたチップである。
これによって本心を隠したままで、ある程度何とか無難に過ごせるようになった。
進路の際もあまり親や教師に頼らず、信用できる大人を探し相談して適切な所に進むことができた。
その他
公開:23/01/07 16:41

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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