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クロスワードパズルの問題がわからなくて考え込んでいた。
「えーと……あ、これか」
答えは『き』だった。
「お待たせしました」
俺がパズルの答えを探している間に注文したコーヒーとパフェが届いた。
「ん?」
俺は店員さんがテーブルに置いてくれた伝票を見て驚いた。そこにはドリンクバーだけではなく、パフェまで書かれていたからだ。
「あれ? これって……」
「私からのサービスです」
そう言ってニッコリ笑う店員さん。
「いやでも悪いですよ! ちゃんとお金払います!」
「いいんです。実はこの前助けてもらった時のお礼も兼ねてますから」
「この前って……もしかしてあの時ですか!?」
「はい。ほら、早くしないと溶けちゃいますよ」
「うっ……じゃあお言葉に甘えて……」
「はい、どうぞ」
そういって店員さんは、歩いて行った。
「またかアレが兎だなんて、誰も思わないよな」
そう。俺はお正月に傷ついた兎を助けたのだ。
公開:23/01/06 08:58

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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