飛躍する年

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今年は兎年だ。兎年といえば、飛び跳ねるイメージから飛躍する年だと言われている。その一年に俺はなる。
「あの……」
俺が決意をしていると、後ろから声をかけられた。振り返るとそこには一人の女子生徒がいた。
「ん? どうした?」
「えっと……あの……これ……受け取ってください!」
そう言って彼女は綺麗に包装された箱を差し出してきた。これはいわゆるバレンタインのチョコってやつだろう。ちょっと早いけどそういうことだろう。生まれて初めて貰ったぞ!
「ありがとう」
俺は笑顔でそれを受け取る。彼女は顔を真っ赤にして走り去っていった。
「さて、そろそろ行くか」
俺はもらったチョコを鞄の中にしまい込み、学校に向かった。教室に入るといつも通り、男子からは嫉妬の目線を受け、女子からは羨望の眼差しを受けた。そして自分の席につくと机の上にもチョコが置かれていた。
後に分かった事だが、俺を虫歯にするゲームだったらしい。
公開:23/01/01 09:02

富本アキユ( 日本 )

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Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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