ある男の振り返り

おれは今年は充実した一年だった。大好きだった女の子に告白して、オッケーを貰うことができ結婚もできた。子供も産まれた。
仕事も順調で出世もした。商品の値上げは確かに痛いが、いい給与を貰っているので何とでもなる感じだ。
大国が隣国に攻め入っているニュースが、連日報道されている。おれだって心を痛めないわけではないが、常任理事国が白人国を攻め入っているから世界中が騒いでいるという面もあるのだろう。中東やアフリカの紛争なんてほとんど騒がれないし、報道したとしてもどこ吹く風じゃないか。自分たちの生活に直結するから心が痛みます、早く終わってほしいですというのは調子がよくないか。
コロナも心配ではあるが、それよりも風呂場で亡くなる人の方が多いのであろう。飲食店などで働く人たちを窮地に追い込んでおいて、自分たちだけが助かればいいというのも勝手ではないか。
人は皆自分勝手な偽善者なら、おれもそうするまでだ。