青い鳥の伝説

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青い鳥を見つけると幸せが訪れるらしい。そんな伝説があり、僕は青い鳥を探していた。
「もうすぐ夏も終わるな」
ふいに風が吹き、僕の前髪を揺らした。
「そうだね」
僕達は立ち止まり、風に揺れる草花を眺めていた。
「そういえば、この前の話だけど……」
彼女は申し訳なさそうな表情を浮かべて口を開いた。
「この前?」
「うん……その……ほら、一緒に海に行くって約束してたじゃない?だから……」
彼女は俯きながら小さな声で呟いた。
「いいよ」
僕は彼女の言葉を聞き、すぐに返事をした。すると、彼女は嬉しそうに顔を上げ、微笑んだ。
「本当に?」
「うん。行こうか」
「ありがとう!」
彼女は満面の笑みで言った。その笑顔はまるで太陽のようだった。
それから数日後、僕達は電車に乗り、海へと向かった。その途中、彼女は姿を消した。もう時間がないからと言って。青い海には、青い鳥がいた。
「青い鳥は君だったんだね」
公開:22/12/31 10:02

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

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ブラウン・シュガー
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