時を進める能力

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おれは時を進める能力というのを身につけた。何故かは分からないが、自分が願った分だけ時が進められるのだ。
よく漫画などで時を止める、もしくは戻す能力というのは聞くが進める能力というのはあまり聞かない。あまり使い道はないかと思ったが、小遣い稼ぎにでもなればと思い裏サイトに登録した。
早速依頼があった。父が重病になり見ていられないので、時を進めて安らかに死なせてほしいとのことだった。その通りにしてあげた。
おれはお礼を言われ金を受け取った。なるほどこういう使い方もあるのかと、秘かに感心した。
それからも学校や会社が嫌なのである程度時を進めてほしいとか、どうしても参加するのが嫌な行事があるので来月まで進めてくれとか様々な依頼があった。
ゲームのスキップ機能みたいなものなのか、当人に嫌な記憶は残らず世界に混乱もないようだ。
おれも能力の使い過ぎか死期が近づいてきたが、太く短く生きられてよかった。
SF
公開:23/01/03 12:24

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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