兎よ、兎、兎さん

7
2

「兎よ、兎、兎さん。世界で一番美しいのは誰だい?そう、この私さ! ふふん!」
「……」
「……なにか反応しなさいよ」
「いや、まあ、うん。すごいね」
「でしょ?」
「はいはい。それで? その自慢話と今の話がどう繋がるんだ?」
「あんたみたいな顔もスタイルも平凡な男には私の美しさが分からないって事よ!!」
「そっかぁ〜……じゃあ、俺帰るわ」
「ごめんなさい。許して下さい。お願いします。だから帰らないでください」
「…………」
兎年になった早々、鏡ではなく、兎に世界一美しいのが誰かを聞いて自分と答える辺り、こいつは変わらず今年もこのペースなのかと思うと、どこかホッとするというか、なんとも言えない気持ちになった。
「新年よ。気持ちを新たにして何か成し遂げたい事とかないの?」
「んー、俺は現状維持かな。お前は?」
「私は今年こそあんたを振り向かせるわ」
「えっ?」
「し、しまった!!今のなし!!」
公開:23/01/03 07:52
更新:23/01/03 08:11

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容