お年玉

「アンタもう３０歳でしょ！いつまでお年玉貰うつもりなの？今年はもうあげないからね！」
親から無情な宣告をされた俺。マジかよ…ずっと貰えるものとばかり思っていたのに何でいきなり貰えなくなるんだよ…
酷く落ち込んでいると飼い猫のタマ１０歳（人間年齢５６歳）が俺にお年玉を持ってきてくれた。
タマがお年玉？と思いながらも受け取ると中身はちゃんと入っているようだ。
ありがとう！タマ！
嬉々としてお年玉袋を開ける。
中に入っていたのは、飼い犬のポチ１２歳（人間年齢６２歳）のおやつだった。
ポチを見る。好々爺のように穏やかな表情で俺を見つめていた。
さすがにポチのポチ袋は貰えないな…これを握り締めてパチンコには行けない…
タマ、ポチ、ありがとう。気持ちだけ受け取っておくよ。
あと俺、今年からちゃんと働くよ。
俺、さっき鏡で自分の姿を見てしまったんだ。かなり情けない姿にお年玉袋の中、涙を入れてしまったよ…