今年の目標

今年こそは、姫子ちゃんに告白するんだ。そう決意して、一月二日の元旦を迎えたのだけれど……。
「あけましておめでとうございます」
俺の家の前で、姫子が深々と頭を下げていた。元旦の朝八時五十分、新年の挨拶をするためにわざわざ俺の家に来てくれたらしい。
「えっと……あけましておめでとうございます……」
俺は戸惑いながらも、なんとか挨拶を返すことが出来た。まさか姫子のほうから家にやってくるなんて思ってもいなかったし、それにいつもと違って着物姿だったから、余計に戸惑ってしまった。
「あの……それで……その……」
姫子は顔を真っ赤にして俯いている。
一体どうしたんだろうか？
「えっと……とりあえず中に入らない？」
このまま外で話をするのは、ちょっと寒い。
「あっ、はい！」
俺がそういうと、姫子は慌てて家の中に入ってくれた。
「初詣行こうよ」
「う、うん」
今年は神頼みをする前に良いことがあった。