自己体験投影ペン

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自己体験を投影させるペンがあった。木内という男は古物市場で、それを見つけた。彼は作家だったし、作品を書くのに都合がいいかもしれないと思いそれを買った。
木内は早速ペンを使い物語を書いてみた。だが彼は根が真面目で、行動がワンパターンの男である。だからつまらない作品になった。自分で読んでみても面白くなかったし、編集者に見せても不評だった。行動パターンを変化させようと思った。
ほどほどに荒れた生活をするようになった。ひと昔前の無頼派のような生活パターンをした。刺激を受けたのか、ペンは面白い作品を紡ぐようになった。出す作品はベストセラーとなった。だがまた次第に飽きられてしまった。
じゃあまた派手な体験をしようかと、女遊びをしたり海外旅行をしたりした。
疑似自殺体験をしようとしたら、失敗して本当に死んでしまった。ある意味ペンに殺されたのかもしれない。そして、次の持ち主を待っているかもしれない。
その他
公開:22/12/27 00:39

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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