アイデアの浮かぶトイレ

深い瞑想状態に入ることのできるトイレがあった。入る人はいいアイデアが浮かび、それを生かすことができるのだ。
会社員の人は、いい企画が浮かんだり改善案が浮かんだりした。作家はいい作品のアイデアが浮かんだりした。SNSなどで評判を呼び、アイデアに悩む人はそのトイレに入りたがった。入った人は、いろいろな意味ですっきりして出て行った。
ただ少し問題も出てきた。出すアイデアがトイレに入った人同士で、似通ってきてしまうのだ。波動か思念を入る人同士で共有してしまうのか。
会社員同士、作家同士など同業者の間で盗作騒ぎが起きる自体となった。しかしお互いが自分のアイデアだと主張し、盗作のつもりは無かったから収拾に時間を要した。
対策としてトイレに入る人は事前登録をすることになった。職業や肩書きなどを申告し、極力同日に似た人が被らないようにした。出たアイデアも報告することとした。盗作騒ぎは下火になった。