キャベツの子

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子どものころ。おじいちゃんとおばあちゃんのキャベツ畑に、お手伝いに行ったっけ。
まあるいキャベツに小さな黄色いモンシロチョウの卵。
白いモンシロチョウがひらひら舞ってたっけ。


「キャベツ好きだよ」
って彼女の夢を見ました。

僕の部屋。白いカーテン。
陽ざしを背に、窓際のラグの上にちょこんと座ってる。
クッションを胸に抱えて。
「寒いね」
って。

僕は、マグカップにティーバッグで紅茶をいれました。


「キャベツ買って来よう」
スーパーのいつものキャベツ売り場。
なんとなく光って見えるキャベツを手にとると、
鼓動がきこえたような気がしました。
ふと冷蔵庫に入れちゃいけないようなきがして。
キャベツの葉を一枚また一枚めくってはがすと、
キャベツの中から光る小さな女の子があらわれました。

あっというまに成長して、やさしい女の子になりました。


帰ろう。
白い服のあの子も待ってたっけ。
ファンタジー
公開:22/12/26 22:07
キャベツ 女の子 おとぎ話 童話 ファンタジー 絵本 日常 不思議 妖精

前虎( https://mobile.twitter.com/mae10ra )

はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願い致します。
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