タマ、旅に出る。

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タマは長年飼われていたが、捨て猫時代に拾ってくれた勤君が進学で遠くへ行ってしまった。
寂しがりやのタマは、家族には悪いと思いつつも、勤君を訪ね旅に出る決心をした。
戻らないタマを案じて尋ね猫が電柱に貼られていた。
でもそれを知るすべも無く、今日も旅を続ける。
勤の学校や住所は勿論知らぬが、兎に角毎日走り続けた。

途中で野宿をし犬に追われたり、拾い食いしたり、苦労の日々が続くも勤君に会いた一心で頑張った。
時にはお星さまに、会わせてと願ったりした。
勤君も勉強やバイトで忙しかった時にも、フッとタマの事を思い出し会いたいと思っていた。

そんな時バイト先の店先で、偶然にもタマに出会える奇跡が起こった。下宿に連れて帰り又一緒に住む事にした。幸いにもペット禁止でもなく喜びの日々を送っている。
心配させぬ様、実家からは行方不明の話は聞かされていなかった勤だが、タマがこちらに来たと喜びの連絡をした。
ファンタジー
公開:22/12/26 14:30

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