ワールドカップ決勝

6
2

ワールドカップ決勝。俺達は、運命の一戦を目前に控えていた。
「いよいよだな」
「うん……!」
「大丈夫だよ、心配すんなって。洋介は絶対やってくれるよ」
幼馴染の洋介は、日本代表の選手だ。今や日本のエースと言っても過言じゃないくらいの活躍をしている。でも、そんなことはどうでもいいんだ。あいつならきっと、どんな逆境にも負けないって信じてるから。
「そうだね……。私、全力で応援する」
「ああ」
四年前の悪夢の試合。洋介は試合中、相手のファールを受けて大怪我を負った。そこから復活を遂げて今に至る。だから、今日の試合は絶対に勝たないと駄目なんだ。そして試合が始まり、激しい激闘の末、試合終了。負けた。1-0だ。悔しくて涙が止まらなかった。
「いやー、負けちまった。ってことは、次はもっと上にいける可能性があるって事だ」
洋介は笑顔でそう答えた。だがその顔は、誰よりも涙で溢れていた事を俺は知っている。
公開:22/12/26 09:47

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容