運転の体験

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おれはバイクに跨った。今日も風を切って走った。山道を快適に駆け抜けた。バイクとの一体感をおれは堪能した。
しかしいきなり暴走した車が、こっちに突っ込んで来た。突然のことで躱せるはずもなく跳ね飛ばされて死んでしまった。
と、ここで疑似体験の世界は終わった。今はバイクや車などの乗り物を使う人は無い時代である。瞬間移動で、いつでもどこでも行くことができるので乗り物なんて必要ないのだ。
だが昔は移動手段として、乗り物を使わざるを得なかったらしい。それは一歩間違えれば、常に死と隣合わせだったらしい。
よせばいいのに、現代でも乗り物に興味を持ち実際に組み立てて乗った人がいた。しかし散歩に出ていた人を跳ね飛ばしてしまうという、事故を起こしてしまった。以来事故の恐怖を忘れないために、運転の疑似体験をする際には事故の疑似体験をすることも義務づけられた。
おれは恐怖心のため、実際に運転する気にはならない。
その他
公開:22/12/27 21:32

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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