天使と悪魔と猟師

私の故郷だと猟銃免許を持っていれば、空飛ぶ悪魔を猟銃で仕留めても問題なかった。
しかしここでは空飛ぶ悪魔を猟銃で仕留めてはいけない。
何でも悪魔の羽根は蝙蝠と同じだから、蝙蝠と同じように病原菌を持っている恐れがあると…
故に猟銃による駆除ではなく、害獣駆除業者に連絡する必要があるようだ。
今も目の前を走り去るトラックには『悪魔の誘惑にお困りの貴方。ぜひお電話を！』なんて書かれている。
場所が変われば、駆除の方法も変わるものだ…
あと、ここでは空飛ぶ天使を猟銃で仕留めてもいい。
何でも天使の羽根は鳥の羽と同じだから、鳥と同じように鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化を目的とするのなら狩猟の対象だそうで…
故に猟友会が地元住人を集め、天使鍋を振る舞うイベントがあるようだ。
天使を食べるなんて！と、思っていた私だが天使鍋を口にしたその瞬間、天使の味の虜となった。
味を知れば、考えも変わるものだ…