スナック図書館

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久しぶりに図書館に行った。入口が暗いなと思ってドアを開けるとひらひらのミニスカートの女性に、いらっしゃい!と迎えられる。え?と疑ったが案内されるままに入ると、柔らかなソファに座らされ、たちまち四人の女性にぴったりと囲まれた。低いガラステーブルにはグラスが並ぶ。「おビール!」の声にボーイが瓶ビールを数本持ってきてグラスに注いだ。とりあえず喉を潤すと女性に聞いた。「本当に図書館?」「利用者が減っての、お客を増やすための手段よ」「図書館は続いてる?」「もちろんよ。図書カードを出して。あ、本が返却してないわ」「ほんと?何の本?」「変態入門だって。期間が過ぎて超過料金よ」「市立図書館なのに?」「だから経営が苦しいのよ」俺は気分が悪くなって席を立った。「帰るよ」「あら、本日の料金よ」「高い!」「本を借りていってね。これどう?」
俺は金を払ってドアを出た。持たされた本は「新しい図書館の愉しみ方」だった。
その他
公開:23/07/05 14:16

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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