飽食の国と赤貧の国

0
2

 ある日、悪の帝国が倒されました。
 倒したのは飽食の国と赤貧の国です。
 帝国では特定のルーツを持つ人々を捕まえ、牢屋に閉じ込めていました。
 収容者たちはまともに食事を与えられておらず、骨と皮だけの姿でした。
 哀れに思った飽食の国はさっそく豪華な食事をたくさん用意しました。
 赤貧の国もまた収容者に食事を与えていたのですが、それはごくわずかな粟粥と水だけでした。
「おお赤貧の国よ。美味そうな粥だな。うちの白パンと交換してくれないか」
 飽食の国は赤貧の国の食事をからかいました。
 さて、解放された収容者たちですが、飽食の国に解放された収容者は無我夢中に食事を口に詰め込んだ後、みんな胃をおかしくして死んでしまいました。
 一方、赤貧の国は「飢え」というものを熟知していたので、無事全員を救出し、やがて体調を取り戻した彼らに、貴重な白パンを与えてやりました。
その他
公開:23/07/05 10:02

赤井夏

アカイナツではなくアカイカです。
 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容