手助け

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母は昔からぼくに否定的なことばかりを言い、ぼくを追い詰めてきた。自殺を何度も考えたことがあった。
だが母は、お前のような気の小さい奴は自殺する度胸もないだろうと言う。確かにそうだ。
包丁を部屋に持ち込んで腹か手首を切ろうとしたが、切れ味が悪そうだったので止めにした。家で首を吊るような適当な柱も無かった。高所恐怖症だから、ビルから飛び降りる勇気も無かった。

そんなわけで生き続けられて、ぼくも中年と言われる歳となった。母も少しは丸くなってきて、ぼくを頼るようにもなってきた。そして自分が嫌われている自覚も持ち始めたようだ。死にたいけど川に飛び込む勇気も無いからねと、自嘲していた。

何だそういうことだったんだ。お母さんもやはり小心者だったんだ。息子として、最後に願いを叶えてあげるよ。
橋の真ん中辺りまで母を連れて行き、そこから母を突き落とした。親孝行ができたかな。無事に地獄まで行ってね。
その他
公開:23/07/10 22:45

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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