金は回りもの

お金を使おうとすると、具体的な将来の映像が見えるようになった。例えばギャンブルをしようとすると、大損をして家庭が崩壊する映像が見えて心がすごく重くなり暗くなった。どんな小額でも同様だった。
逆に福祉団体に寄付しようとすると、人々の喜ぶ顔が浮かんできて心が明るくなり癒やされた。
何故こんな現象が起きるようになったのかは分からなかったが、これでギャンブルで身を崩す人はほとんどいなくなり福祉関係の仕事に身を入れる人が多くなった。
しかし頭の固い、保守的な人が多くなった。それだけならまだいいのかもしれないが、何か資金を回そうとしたり投資をしようとしても失敗する映像が浮かんできて躊躇ってしまうのであった。
娯楽に金を使おうとしても、いやこの金を福祉に寄付すべきだと考えて使わない人ばかりになったので経済が滞ってしまった。
これはいかんと現象の理由を解明して元に戻した。再び健全な社会へと戻った。