嫌いなもの

パクチー、病院、二日酔い、街で無作為に声をかけてくる人、駅前で我が物顔で座り込む人……etc
沢山嫌いなものがあるが、その中でも特に嫌いなのがある。
私は水が嫌いだ。
グラスに水滴がつくくらい氷を入れた冷たい水。
両手でフーフーしながら飲む暖かい水は好き。
常温の水だけが嫌い。
人にそれを伝えると、変わってるとか変人に思われたいの？と聞かれるけどそうではない。
常温の水が嫌いな理由は『体液』の様だから。
涙。血液。唾液。
人から流れ出るあらゆる体液に感じてしまう。
口内に伝わる生ぬるさが、それは生きる為に必要なものなのだと訴えかけてくる様で、体内に取り込む度に陰鬱とした気分になる。

涙を流さないと眼は乾いてしまうし感情を表に出せない
血液が流れないと人を生きられないし命を繋げない
唾液が出ないと上手く言葉が紡げないし人と繋がれない

だから私は水が嫌いだ。